幻想魔鏡~白銀の未来~
「ハァ、ハァ」
重く痛い足かせが耳障りな金属音を、走るたびに鳴らしている。
僕は息を切らしながら裸足で地面をける。もう僕の足には感覚がなく、薄く血で汚れていた。
後ろを振り返れば魔導集団が追いかけてくるのがわかる。
「あ・・・!」
よそ見をしたのが運の尽きだっか。僕は小さな段差につまずいて転んでしまった。逃げなければならないのに、捕まってはいけないのに。それを僕の体は受け入れなかった。
すると魔導集団が僕を囲んで怪しく微笑んだ。
「さぁ戻りましょう。我らがカギよ」
「嫌だ!あんな、あんなところにもどるくらいなら、死んだほうがマシだ!」
「全く、困ったカギだ」
もう僕はここからは逃げられないのかもしれない。それはもう変えられないのかもしれない。
だけど、あんなところに戻るくらいなら・・・。
『なら、僕に任せてよ』
僕の中で、何かが響いた。
それは紛れもない。
僕自身の声。